ハッピーエンドな旅の途中で。

生きてる事は旅すること。旅とは移動の有無ではなく、生きるスタンスそのもの。

福島正伸先生の講演より 日本一のパパ

福島正伸先生の講演会から、私が勝手に文章化したものです。

 

小さな家族がいる人に読んで頂ければ効くと思い文章化しました。

 

ちょい長いです 【日本一のパパ】 知り合いの話です。

 

彼は3店舗のレストランを経営していました。

 

毎日遅くまで必死で働きましたが、毎月150万円の赤字を出す、借金経営をしていました。

 

毎日、毎日、休み無しで働きました。彼には奥さんと小さな子供がいましたが、家族が寝ている時に家に帰り、家族が目覚める前に出勤する生活を送っていました。

 

借金の額が限界を超えた時、これ以上他人に迷惑をかけられないと店を閉めることを決めたそうです。

 

膨大に膨み続ける借金だけを残して。

 

ある晩、いつも通り、夜遅くに家に帰りました。

 

彼の家族は寝ていました。彼は疲れていました。精神的に追い込まれていました。

 

眠る奥さんと幼い我が子を寝顔を見て、無理心中を考えるまでに彼は限界でした。

 

「いっそみんなで死に終わりにしようか」

 

そんな考えが頭にふと浮かびました。

幼い我が子を抱き上げ愛を込めて優しく抱きしめました。

 

その時、子供が目を覚まして、彼に何かを伝えようとしています。

 

「…わっわ」

 

まだ言葉も上手く話せない年齢の我が子が必死に彼に何か伝えようとしています。

 

「…のわっわ」

 

突然、その子が何を言ったのかを理解した時、彼は泣き崩れました。

 

 

 

「にほんいちのパパ」 と。

 

 

 

この子の人生を終わらせる事を一瞬でも考えてしまった愚かな自分が情けなくて。

 

彼が仕事でいない間、彼の奥さんはその子に「パパはいろんな人を喜ばせる為にがんばっているんだよ、すごいんだよ、日本一のパパなんだよ」

と子供に伝え続けていたそうです。

 

 

子供は日本一のパパのフレーズ が耳に残り、それを彼に伝えたかったのだと思います。

 

「にほんいちのパパ」 「にほんいちのパパ」 と何度も子供は嬉しそうに、彼に話し掛けました。

 

彼はその晩、涙を抑えることができませんでした。

 

一瞬でも家族で無理心中しようとした愚かな自分から、大切な存在が近くにいることに気がつき、全力で守っていく事を心から誓う自分に変わっていました。

 

お店は閉店させましたが、

 

彼のその後、また飲食店を経営し、

家族の為に成功させたのはいうまでもありません。